【Case002】人事制度再構築アドバイザリー

「評価を成長につなげる」制度へ~社員と会社がともに成長するための人事制度再構築

企業   明治フレッシュネットワーク株式会社
業種   食品卸売業
従業員数 300~1,000名

01 事例概要

概要

明治フレッシュネットワーク株式会社は、牛乳・乳製品等の卸売を行う明治グループの販売事業会社で、2013年に全国の販売会社等を統合して設立されました。統合から10年以上が経過する中、人事制度の運用面では、評価基準や昇格基準が社員に見えにくいという課題がありました。社員が納得感を持って成長できる制度を目指し、同社は人事制度改革プロジェクトチームを発足。社内で制度案を作成したうえで、インソースコンサルティングのアドバイザリーを活用し、評価制度・等級制度・賃金制度・再雇用制度・制度マニュアルの整備を進めました。

目的

  • 評価基準・昇格基準・等級定義を明確にし、社員にとって分かりやすく公正な制度をつくる
  • 評価を処遇だけでなく、社員の成長やキャリア形成につなげる
  • 会社のビジョンや部門方針に沿った行動を促進し、社員と会社がともに成長する基盤をつくる

ご支援内容

・人事制度再構築アドバイザリー
評価制度・等級制度・賃金制度・再雇用制度・昇格基準・制度マニュアルのレビューおよび、制度定着に向けた支援

02 事例詳細~Success Story

社員の成長につながる評価制度へ

――まず、今回のプロジェクトの背景について教えてください。
橘貴嘉さん(プロジェクトリーダー、管理本部人事部人事グループ担当課長)
当社は2013年の統合以来、主力事業の成長や構造改革を通じて、収益性の向上と経営基盤の強化に取り組んできました。一方で、人事制度については、事業環境や働き方の変化、法改正などに対応する中で、見直しが必要となっていました。
特に課題として認識していたのが評価制度です。評価がどのように行われているのかが見えにくく、運用面でも改善が必要な状況がありました。また、従業員エンゲージメント調査の結果や、現場から寄せられる意見・要望からも、時代に即した、働きがいを感じられる制度改定への対応が必要でした。
そこで今回、「透明」「公正」「明確」をキーワードに掲げ、社員一人ひとりが評価の仕組みや基準を理解し、働きがいを持って働ける制度を目指して、人事制度の見直しに取り組むこととしました。

「透明・公正・明確」を軸に、キャリアが見える制度へ

――制度改定にあたり、特に重視されたことは何ですか。
橘さん
重視した点は大きく三つあります。一つ目は、社員にとって分かりやすく、公正で明確な制度にすること。二つ目は、会社のビジョンに沿った行動を促進できる仕組みにすること。そして三つ目は、社員と会社がともに成長し、より良い未来を目指すための基盤とすることです。
これまで一般社員には、評価項目だけでなく、昇給に必要なポイントや基準が十分に開示されていませんでした。そのため、自身のキャリアを考えようとしても、何を目指し、どのように成長していけばよいのかが分かりにくい状況でした。今回の制度改定では、評価項目、等級制度、昇給基準などを可能な限り明確にし、制度を理解しやすくするためのマニュアルも整備しました。
評価は人を成長させるために重要な仕組みだと考えています。何が良かったのか、何が足りなかったのかを理解できれば、次の成長につなげることができます。今回の制度改定では、社員一人ひとりが自分の現在地を把握し、次のステップやキャリアを主体的に考えられるようにすることを大切にしました。

社内主導だからこそ、納得感のある制度に

――今回、社内主導で制度づくりを進められた理由を教えてください。
常務取締役 管理本部長 兼 人事部長
当社としては、人事制度は会社の方向性や価値観を反映する重要な経営基盤であると考えています。そのため、制度設計を外部に任せるのではなく、まずは自分たちであるべき姿を描き、各組織へのヒアリングを通じて現場の声を十分に把握したうえで、社員が納得できる制度を社内で構築したいという考えがありました。
一方で、人事制度の設計には専門的な知見や客観的な視点も必要です。そのため、社内で主体的に制度づくりを進めながら、必要な場面で専門家の助言をいただく形が望ましいと考えていました。
そのような中でインソース様のホームページを拝見し、一般的なコンサルティングだけでなく、アドバイザリー契約という支援形態があることを知りました。社内の考えや現場の実情を反映しながら、専門的な知見を取り入れられる点に大きな魅力を感じました。
結果として、当社の主体性を維持しながら制度設計を進めることができ、制度内容だけでなく、制度を運用していく人材の育成や社内への定着という面でも大きな効果があったと感じています。また、専門的な知見を必要なタイミングで取り入れることができたことで、費用対効果の面でも非常に有効な進め方であったと考えています。

橘さん
プロジェクトチームが2025年6月に立ち上がり、まずは現状把握から始めました。各支社を回ってヒアリングを実施し、人事制度に関する課題や改善要望を整理しました。そのうえで、制度案やマニュアル案の作成を社内で進めました。
社内主導で進めた理由は、まず自分たちで当社に合った制度のあり方を考える必要があると感じていたからです。現場の実情や社員の声を踏まえたうえで、納得感のある制度を作りたいという思いがありました。
一方で、人事制度を全面的に見直す取り組みは当社にとって初めての経験であり、「制度内容として適切なのか」「世間と比較して妥当なのか」「法的な観点から問題はないのか」といった不安もありました。
そこでインソース様に制度案やマニュアル案のレビューをお願いし、他社事例や実務的な視点からアドバイスをいただきました。当社の考え方を尊重しながら客観的な助言をいただけたことで、自信を持って制度設計を進めることができました。

短期間でも前に進められた、週3回の集中アドバイザリー

――プロジェクトの中で、特に印象的だったことはありますか。
橘さん
一番印象に残っているのは、短期で対応できたことです。インソース様にご支援を開始していただいたのが11月上旬で、1月上旬には役員への報告が予定されていました。そのため、12月中には制度をほぼ確定させなければならない状況でした。
当初は空いている時間を活用して打ち合わせを行っていましたが、途中からは定例会議の時間を確保し、週3回のペースで集中的に検討を進めました。
非常に短期間でのプロジェクトでしたが、インソース様に伴走いただきながら進めることができたことで、制度を形にすることができました。限られた期間の中でも、社員が納得して運用できる制度として形にすることができたのは、実務的なアドバイスや客観的な視点でご支援いただけたおかげだと感じています。

頴川知弘さん(プロジェクトサブリーダー、管理本部人事部人事グループ長)
私も短期間で集中的に取り組み、完成することができたことが特に印象的でした。
制度改定は私たちにとって初めての取り組みでしたので、「何が分からないのかが分からない」という部分もありました。その中で、インソース様には、次に何を議論すべきか、次回までに何を整理すべきかをアジェンダとして示していただきました。
中身のレビューだけでなく、進め方そのものを支援していただけたことが非常に助かりました。限られた時間の中でも、ゴールに向かって一つずつ前に進めることができました。

実務で使える制度へ、評価要素やマニュアルを磨き込む

――実際の支援内容で、特に役立った点を教えてください。
橘さん
評価要素や点数の付け方、各等級・役割に応じた評価の考え方など、実務に直結する部分について助言をいただけたことが非常に参考になりました。例えば、部長職にはどのような役割や成果を求めるのか、課長職にはどのような期待を持つべきかといった観点から、資格等級定義表や評価要素についても当社で作成した内容を確認いただきました。
また、マニュアルや説明資料についても、内容だけでなく、構成や表現方法まで丁寧に見直していただきました。私たちはどうしても専門的な表現や難しい言い回しを使用しがちでしたが、社員が読んで理解しやすい表現へと改善していただけたことは大きな学びになりました。
特に、制度を作るだけでなく、実際に社員や管理職が理解運用しやすい内容になっているかという視点をいただけたことが、今回の制度設計において非常に有益だったと感じています。

常務取締役 管理本部長 兼 人事部長
特に役立ったのは、当社で検討・作成した制度内容に対して、客観的かつ専門的な視点からレビューをいただけたことです。人事制度は会社の将来や社員の成長に大きく関わるため、制度の方向性や内容が適切かどうかを常に意識しながら進めていました。
その中で、当社の考え方や制度設計の方向性について妥当性を確認いただけたことは、大きな安心材料になりました。一方で、改善が必要な点については率直に助言をいただき、新たな視点や気づきを得ることができました。
また、単に制度の内容だけではなく、実際に運用した際に機能するか、社員にとって分かりやすい内容になっているか、などの観点からもご助言をいただきました。そうした客観的な視点を取り入れることができたことは、制度の完成度や実効性を高めるうえで非常に有意義だったと感じています。

目標と評価が見えることで、育成につながる土台ができた

――制度改定によって、運用面ではどのような変化がありましたか。
橘さん
大きな変化の一つが、目標管理のシステム化です。これまでは紙で運用していたため、人事部では社員がどのような目標を設定しているのかを把握しづらい状態でした。今回、目標設定や評価プロセスをシステム化したことで、会社のビジョンや部門方針に沿った目標になっているかを確認できるようになりました。
また、目標が見えるようになったことで、役割に応じた目標になっているか、部門方針とつながっているか、KPIが明確になっているかといった点について、改善すべきポイントや今後の方向性もより明確になりました。
今後は、単に制度を運用するだけでなく、目標設定の質を高め、評価者の評価力や面談スキルの向上にも取り組みながら、より実効性のある制度にしていきたいと考えています。

制度改定の先にある、評価者育成とマネジメント力向上

――制度改定後、社内からはどのような反応がありましたか。
橘さん
社員からは、「評価基準や求められる役割が明確になった」という声が寄せられています。一方で、新しい制度であるため、実際に一連の運用を経験してみないと見えてこない部分もあるという意見があります。また、評価者による制度の理解や運用の定着について、今後さらに取り組む必要があるという声もあります。
だからこそ、評価者研修や面談スキルの向上が重要だと考えています。制度を説明して終わりにするのではなく、適切な目標設定やフィードバックを通じて、社員の成長につなげて行く必要があります。

常務取締役 管理本部長 兼 人事部長
制度改定後、社員からは「評価基準や求められる役割が以前より分かりやすくなった」といった声が聞かれるようになりました。一方で、新しい制度ですので、実際の運用を通じて理解を深めていく必要があるとも感じています。
当社は全国にあった販売会社が統合した会社であり、制度そのものを整備するだけではなく、一人ひとりが制度の趣旨を正しく理解し、適切に運用していくことが重要だと考えています。
今後は、人事制度と研修体系を連動させながら、評価と育成をより強く結び付けていきたいと考えています。社員一人ひとりのキャリア形成を組織的に支援し、社員の成長と会社の成長が好循環を生み出す仕組みづくりを進めていくことが、今後の大きなテーマになると考えています。

制度構築から研修まで、一体で支援できることが決め手に

――インソースコンサルティングを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
常務取締役 管理本部長 兼 人事部長
インソース様を選んだ理由の一つは、これまで研修などを通じてお付き合いがあり、当社の事業や風土について一定の理解をいただいていたことです。また、柔軟に対応いただけるという信頼感もありました。
今回の制度改定では、単に完成した制度を外部に作ってもらうのではなく、社内で主体的に制度設計を進めることを重視していました。その過程で担当者には大変な苦労もありましたが、自ら考え、議論しながら制度を作り上げることで、制度に対する当事者意識が生まれ、将来の運用や定着にもつながると考えていました。
そのような考え方と、インソース様の伴走支援型コンサルティングの考え方が非常に合致していたと思います。必要な場面で専門的な助言をいただきながらも、制度づくりの主体はあくまで当社にあるという進め方ができたことで、制度そのものだけでなく、制度を運用していく組織や人材の成長にもつながると考え、支援をお願いしました。

頴川さん
私はこのプロジェクトが始まるまで、人事部の研修責任者としてインソース様とお付き合いがありました。社員教育や研修まで一体で支援をいただけること、制度の背景や設計思想を理解したうえで、研修に落とし込んでいただけることは心強いと感じています。

制度も成長させながら、社員と会社がともに前進する

――最後に、今後の展望について教えてください。
橘さん
今回の制度が最初から100点だとは考えていません。これから実際に運用しながら、社員の声や現場の状況を踏まえ、より良い制度へと改善していきたいと考えています。
今後は、役割に応じた目標設定や、会社のビジョン・部門方針と連動した目標設定、KPIの明確化などを定着させていくことが重要だと考えています。また、評価結果を人材育成やキャリア形成にもつなげ、単なる評価制度ではなく、社員の成長を後押しする仕組みに進化させて参ります。
社員が成長すれば、会社も成長します。制度の運用と改善を継続しながら、評価と育成をつなげ、社員一人ひとりが前向きに成長できる組織づくりを進めていきたいと考えています。

常務取締役 管理本部長 兼 人事部長
今回の制度改定はゴールではなく、スタートだと考えています。人事制度は導入して終わりではなく、運用を通じて改善を重ねながら育てていくものです。そのため、今後も社員の声や現場の状況を丁寧に把握しながら、より実効性の高い制度へと発展させていきたいと考えています。
社員一人ひとりが自らのキャリアを描き、その成長が組織の成長につながる。そうした好循環を生み出せる組織づくりを目指し、今後も制度の定着と運用の充実に取り組んでいきたいと考えています。
社員一人ひとりの成長と組織全体の成長につながる仕組みへと発展させていきたいと考えています。

(役職はインタビュー当時のものになります。インタビュー日時:2026年6月22日)

03 企業紹介

明治フレッシュネットワーク株式会社

コンサルタントより

今回のプロジェクトでは、明治フレッシュネットワーク様が社内主導で人事制度のあるべき姿を考え、現場の声を集めながら制度改定を進められた点が非常に印象的でした。 人事制度は、外部の専門家が美しく設計すれば終わりというものではありません。社員の皆さまが「何を頑張ればよいのか」「どのように成長していけるのか」を理解し、管理職の皆さまが日々のマネジメントや面談で活用できて初めて、組織の力になります。
今回、評価項目・等級定義・昇格基準・年俸制の構造・再雇用のあり方・目標管理の仕組みを見直し、社員に開示していくことで、評価を「処遇のためのもの」から「成長につなげるもの」へ変えていく大きな一歩を踏み出されました。 また、短期間での制度骨子の確定、役員報告に向けた論点整理、マニュアルの分かりやすさの改善など、実装を見据えた取り組みをご一緒できたことを大変光栄に思います。
今後は、評価者研修や面談スキル研修、被評価者の目標設定の品質向上支援などを通じて、制度の定着を引き続きご支援してまいります。社員と会社がともに成長する制度として、今回の人事制度がさらに磨かれていくことを期待しております。

IIDA Kenji飯田 健司
エグゼクティブコンサルタント

お問合せ

株式会社インソースコンサルティングへの
ご相談は無料です。
お問合せ内容に弊社担当者が
速やかに対応いたします。