【Case 001】

「自分たちで作った」納得感~ボトムアップで築いた職能要件と教育体系

企業   京王バス株式会社
業種   運輸業
従業員数 1,500~2,000名

01 事例概要

概要

京王バス(株)は、1997年に京王電鉄の直営バス部門から独立し設立された。以降、段階的に京王電鉄から路線を移管し、組織を拡大してきた。総合職の採用は1999年から開始し、現在では30名超の体制となっている。
総合職が会社運営の中心を担うにあたり、総合職として求められる人材像や必要なスキルの明確化が急務となった。職能要件と研修体系の再構築を目的に(株)インソースコンサルティングへ相談・依頼することとなった。

目的

  • 総合職が将来的に会社運営を担うための職能要件と研修体系の構築
  • 総合職の意見を集約したボトムアップ型の人材育成方針の明文化
  • 社員の納得感・満足度の向上

ご支援内容

  • 教育体系構築コンサルティング(職能要件表および研修体系図の作成支援)

02 事例詳細~Success Story

総合職が会社運営を担う時代へ 自社独自の育成方針を形に

――まず、今回のプロジェクトの背景について教えてください。
渡邉さん 弊社は1997年に京王電鉄の直営バス部門から独立し、京王バス株式会社として設立されました。以降、段階的に京王電鉄からバス路線を移管し、規模を拡大してまいりました。総合職の採用も1999年から開始し、現在では30名を超える体制になっています。
将来的には私たち総合職が会社運営の中心を担うことになります。そのために、求められる人材像やスキルを明確にする必要がありました。より現場実態に即した職能要件と研修体系を再構築したいと考え、インソースさんにご相談しました。

――インソースを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
渡邉さん 制度設計だけでなく、実行フェーズまでを見据えた研修体系の構築力に期待しました。また、私たちのような新卒入社組には、自社内にない要件定義の視点を補完できる助言力が必要でした。他社事例や一般企業の基準と照らし合わせながら、自社独自の育成方針を形にしていく伴走支援をしていただけることが決め手となりました。

中野さん 当社では2009年頃から総合職の中途採用を開始し、一般職から総合職への転換制度も導入してきました。多様なバックグラウンドを持つ社員が増える中で、誰もが納得できる評価・育成の基準づくりが課題でした。インソースさんには、バス業界だけでなく一般企業の視点も取り入れた職能要件の構築をサポートいただけると期待しました。

ワークショップを通じて見えなかった指標が明確に

――実際にプロジェクトを進めてみて、いかがでしたか?
木村さん 私たちは新卒でこの会社に入っているので、職能要件を作るにあたって一般的な企業に求められる要件について、客観的な視点が必要でした。インソースさんからいろいろとご助言をいただき、「こういったものもありますよ」とご紹介いただいたことで、目指すべき指標や軸が明確になりました。バス業界ならではの要件に偏りすぎることなく、一般的な企業においても通用する人材像として整理できた点が、良かったと感じています。

中野さん 2023年度のプロジェクトでは「理想の組織像」のブレストで止まっていましたが、今回の取り組みで職能要件が言語化され、近視眼的でなく長期視点で育成できる基盤ができたと感じています。 前回は何もない野原を耕すような状態でしたが、今回は軸足ができて、やるべき内容が収斂していきました。インソースさんのナビゲーションのおかげで、作業を進めることができたと思います。

「自分たちで作った」納得感のある職能要件表や研修体系

――ワークショップの実施で、どのような効果がありましたか?
渡邉さん ワークショップを通じて、普段の業務では深く接したことがない社員の考え方に触れることができました。他己評価を行う中で、新たな発見もあり、本人の強みや方向性を導き出すヒントになりました。
今までは決められたものを受け取ってきましたが、今回は「自分たちで決める」というプロセスを経験できたことが新鮮でした。役員へも報告し社長から尊重されたコメントをいただいたことは、大きな自信と腹落ちにつながりました。「自分たちで作った」という実感が大きかったです。

中野さん 自らが関わって作ったものであるからこそ、内容への納得感が高まり、これに向かって取り組んでいこうという意識も強まりました。同時に「自分たちで作ったのだから、実行まで責任を持つ」という当事者意識も生まれています。今後は、実際の人材育成の場面で本要件を活用していく予定です。

――役員会での反応はいかがでしたか?
渡邉さん 正直、承認を得られるか不安でした。しかし、社長をはじめ役員の皆様からは「これで進めよう」という前向きな反応をいただきました。一箇所だけ表現の変更などがありましたが、内容を尊重していただけたと感じています。
木村さん みんなで作り上げたものだということを理解していただけたので、役員の方々も意見を出すというよりは尊重するような姿勢でした。これには本当に助けられました。

職能要件表を活用した育成の仕組みづくりへ

――今後、この職能要件表や研修体系図をどのように活用していく予定ですか?
渡邉さん 総合職の中から出てきた意見として、評価に関して納得感が持てないという声がありました。どういう基準で評価されているのか、自分は今どの状態なのか、もっと努力が必要なのかが分からないという意見です。
今後は、この職能要件表を一つの指標として、上長や他の方の評価も含めて、その方のスキルの「できる・もう少し努力が必要」という部分を明確にしていきたいです。伸ばしていく必要があるスキルに関しては、インソースさんの研修も含めてスキルアップの機会を提供し、本人がやりたいことを選んで満足度を高めていく。結果的に会社への帰属意識や会社の発展につなげていきたいと考えています。

中野さん 昇進推薦制度にもこの職能要件表を活用する予定です。各スキルについて到達できていれば、直属の上長が人事部門に推薦できるという仕組みです。弱いところは研修で補いながら、要件を満たしていくという流れを想定しています。

リーディングカンパニーとして、さらなる高みへ

――今後の展望について教えてください。
渡邉さん 人材要件や教育体系の運用について、引き続き「腹落ち感」を持てる形にしていきたいです。また、インソースさんの研修を活用し、社員満足度の高いスキルアップの場を提供したいと考えています。昇進推薦制度と研修体系図を連動させ、成長実感のあるキャリア支援を実現したいですね。

中野さん 私たちはバス会社のリーディングカンパニーでありたいと考えています。そのためには、総合職が自分ごととして会社運営に携わることが重要です。このプロジェクトは、単なる制度設計ではなく、自社らしさを反映した人材育成方針の明文化を目指した全社的な変革プロジェクトでした。「2030年を見据えた企業の在り方」についても、再度立ち止まって考える時期に来ていると思います。

03 企業紹介

京王バス株式会社

コンサルタントより

今回のプロジェクトでは、ワークショップを重ねながら社員の皆様が主体的に議論を深め、職能要件表を完成させていくプロセスを伴走支援させていただきました。とりわけ印象的だったのは、「自分たちでつくり上げた」という強い当事者意識を持ってプロジェクトを推進されていた点です。役員にも高い評価を得られたとうかがっており、今後の人材育成や評価制度の基盤として、幅広くご活用いただけることを期待しております。京王バス様のさらなる発展に、微力ながら貢献できましたら幸いです。

Yosuke Kobayashi小林 洋介
執行役員 / エグゼクティブコンサルタント

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